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武原 夏子
玉川大学農学部卒。元・日本不耕起栽培普及会理事・事務局長。不耕起移植栽培や田舎暮らしの楽しみを教えています。農産物の差別商品化や売上増加コンサルをしています。手作り、田舎の食や暮らしが大好き。伝統食大好き。農家のじいちゃん大好き。都会暮らしでは、命と精神が縮んでしまう。ずっと満員電車に乗らず、朝に出勤しない生活を望んできたら、そうなった。ナチュラリストでも何でもないのに、化学物質過敏症、合成添加物過敏症、合成洗剤アレルギー、シックハウス症候群。さらには、憑依体質。宇宙とのつながりについて、いつも考えています。

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不耕起移植栽培技術は、苗つくり、稲つくり、米つくりの3つ


 

不耕起移植栽培技術には、3つの基本技術があります。

 

それが、苗つくり、稲つくり、米つくりです。

 

苗つくりは、田植え前に、

耕さない田んぼでも元気に育ち、

異常気象や病虫害に耐えうる体質を持つ、

苗を育てる技術です。

 

 

稲つくりは、田植え後に、

田んぼの中で稲を大きく育てて、

たくさん稔らせる技術です。

 

 

米つくりは、収穫から商品化までの技術です。

 

インターネット上で学ぶ「ローカルライフきらめき」では、

3月は、不耕起栽培の種まきから苗の育て方までを

Skypeで学びます。

 


不耕起移植栽培の苗


 

不耕起移植栽培技術において、

苗をどう育てるかが最も大事な基本です。

 

 

慣行栽培(普通の栽培方法)と最も違うのは、

健康で丈夫な健苗(けんびょう)を

昔の方法に近いやり方で育てるところです。

 

慣行栽培では、できるだけ早く日数をかけずに

苗の丈を伸ばします。

 

こんな感じです。

このような苗を稚苗(ちびょう)といいます。

 

Photo by Natsuko Takehara

 

稲の苗は、成長過程によって名前が変わります。

 

葉っぱが1枚の時が乳苗(にゅうびょう) 赤ちゃん苗です。

2枚の時が稚苗(ちびょう) 哺乳瓶を手放す時の苗です。

3~4枚の時が中苗(ちゅうびょう) 自分で栄養を吸収できる苗です。

5枚の時が成苗(せいびょう) 大人の稲と同じ体になった苗です。

 

田植えの時までに、苗の丈が約20cmに育てます。

田植機で植えやすい長さに育てるんです。

 

上の写真の稚苗は約20cmの丈がありますが、

高い温度で促成で丈を伸ばした苗です。

 

本来の稚苗の丈は、10cm以下なんです。

 

苗をうまく育てられない農家が増えています。

 

徒長(伸びすぎ)を防ぐために、

シルバーのシートを購入して使ったり、

資材のお金をかけています。

 

稲の温度管理法や生理現象、

ハウスの温度管理方法を

理解していないのが原因のようです。

 

稲も生きものです。

 

毎日の稲の世話をしながら

稲姿を見て、稲から学ばないと、

良い苗を育てることができないんです。

 


不耕起移植栽培の苗つくりの準備


 

不耕起移植栽培用の苗は、成苗(せいびょう)です。

 

丈が20cm前後で、5枚の葉を持つ大人の苗を

40日以上かけて育てます。

 

東北では70日ぐらいかけることもあります。

 

低温管理と水管理が苗の育て方の基本です。

 

1枚目の葉っぱが開いた時に、

茎に見える部分、葉鞘(ようしょう)と

開いた葉っぱ(葉身)が1:1の長さなら、

苗つくりの第一段階は大成功です。

 

 

不耕起移植栽培の8割は成功したと言えます。

 

下の写真もかなりいい線ですが、

初期成育温度がちょっと高かったために、

葉鞘の方がやや長めです。

 

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基本となる成苗を育てるには、苗を育てる前に、

育苗箱(いくびょうばこ)に蒔く

種の質と種の量が、成苗を育てられるかどうかに

大きく影響します。

 

 

種まきの前に、塩水を使って種もみの選別をします。

 

この作業を塩水選(えんすいせん)といいます。

 

塩水の比重で、沈む種もみと浮いてしまう軽い種もみを分けて、

沈んだ良い種もみだけを選ぶ作業です。

 

この後、

お湯で病原菌を殺菌する温湯消毒(おんとうしょうどく)を行います。

 

これをしないで、特別な酵素で消毒の代わりを行うこともあります。

 

ここまでの作業で、丈夫に育ち病気が出にくい種もみだけにして、

苗に育てる種もみの質を揃えるのです。

 

 

発芽ががそろうようにし、休眠ホルモンを水に溶かし、

発芽に必要な成分を種もみの中で用意させるために、

十分な期間、冷たい水に種もみを浸す浸種(しんしゅ)、

種もみを一斉に発芽の1歩手前の状態にするために

ぬるま湯に種もみを浸す催芽(さいが)

という作業があります。

 

不耕起移植栽培では、ここに十分時間をかけて、

寒い時期にこれらの作業を終わらせます。

 

浸種までは、桜の花が咲く前に行う作業です。

 


種もみをどれだけ蒔くかで、苗の育ち方が違う


 

準備が終わったら、いよいよ種まきです。

 

田植えの予定日と葉が5枚以上出る日数から逆算して、

種まきの日を決めます。

 

種まきで重要なのは、

1枚の育苗箱に蒔く種もみの量と

育苗箱に入れる土の量です。

 

育つ時に、苗がおしくらまんじゅうをしていたら、

上にヒョロヒョロ伸びてしまいます。

 

温度が高いと、更にヒョロヒョロ成長するのが

加速してしまいます。

 

 

太く丈夫な稲の苗を育てるには、

種もみの量は、育苗箱1枚当たり70gです。

 

太くてがっちりした良い苗は、根も太くたくさん育ちます。

 

土は種もみの下の土を育苗箱のふちより5mm下まで入れ、

種もみに被せる覆土は、育苗箱いっぱいになるように

5mmの厚さで被せます。

 

土の量をケチると、良い苗が育ちません。

 

ポット育苗箱(一株ごとの苗が作れるようにポット状に仕切られた育苗箱)が

不耕起の苗づくりに向いていないのは、

土の量が圧倒的に少ないからです。

 

野菜の苗を育てる時も、温度が高すぎたり、

たくさん種を蒔きすぎると、がっちりした苗に

育たないことがあります。

 

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上の写真は、上から種もみの量が、

200g、120g、70gです。

 

種もみ70gは、育苗箱という仕切られた環境の中で、

5枚の成苗が育てられるギリギリの種もみの量です。

 

60gでも40gでも成苗が育てられますが、

その分、苗箱を置くハウスの面積や苗箱が増える分の土の量、

苗箱を田んぼに運び足すときの労働力などが多くなるんです。

 

コストや労働力を減らして成苗を作るために、

農家の方たちが検証して見出したのが、

70gという量だったのです。

 

70g以上でも中苗なら、

がっちり育てることが可能です。

 

種もみは、1kg当たりの価格が高いので、

200gと70gで、約1/3コストが変わるわけです。

 

不耕起移植栽培の成功は、8割が苗つくりにかかっています。

 

農家が生み出したこの技術と理論を継承してくれる方がいません。

未来に残せる日本の農業技術、食糧増産技術に

なって欲しいと思っています。

 

良かったらこちらの記事お読んでくださいね。

⇒ 延べ1000人以上の農家が生み出した耕さない農業技術のメリット

⇒ 無責任な口コミ「種もみを冷やす時に水槽用エアポンプを入れておけばいい」

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