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武原 夏子
玉川大学農学部卒。元・日本不耕起栽培普及会理事・事務局長。不耕起移植栽培や田舎暮らしの技術や楽しみを教え、農産物の差別商品化や売上増加コンサルをしています。手作り、田舎の食や暮らしが大好き。伝統食大好き。農家のじいちゃんばあちゃん大好き。都会暮らしでは、命と精神が縮んでしまう。ずっと満員電車に乗らず、朝に出勤しない生活を望んできたら、そうなった。2017年まで田舎暮らしや農業、手作りを実践。ナチュラリストでも何でもないのに、化学物質過敏症、合成添加物過敏症、合成洗剤アレルギー、シックハウス症候群。さらには、憑依体質。自然や宇宙とのつながりについて、いつも考えています。

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米余りの時代の農家の試み


戦後、食糧不足から立ち直るために、

政府はお米の増産に力を入れました。

 

1993年まで、食糧管理法という法律があり、

農家はお米を自分で売ることはできず、

農協を通じて国に買ってもらっていました。

 

国は農村の収入アップのために、

お米の買取価格を毎年上げていきました。

 

 

ところが、1970年代後半に、お米の消費が減り

米余りが起こってしまったのです。

 

減反や収入が減る不安を

全国の米農家が抱くようになりました。

 

農家は収入を確保しなければ、

お米の増産のために投資した

機械や設備の代金が支払えなくなります。

 

 

米余りが深刻になって来た1980年代に、

お米の増収技術を取り入れようという

農家の人達の集まりが東北で起こっていました。

 

米余りなのになぜ、増収技術なのか?

 

1枚の田んぼで1俵でも多く収穫できれば、

1俵分の収入が増えるからなのです。

 

10アール当たり8俵穫れていた田んぼで1俵増収し、

田んぼの全面積が4ヘクタールある場合は、

仮に1俵17,000円×40アール

=68万円の収入が増える計算です。

 

農家の人たちは、米余りで収入が減ることに

どう対応できるのかを模索していたのです。

 

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不耕起移植栽培技術の誕生


東北を中心にいくつもの地域で、

お米の増収技術を研究する

農家のグループが何十も生まれました。
メンバーの総数は1000人以上になったそうです。

 

 

農家の人たちは、特殊な資材のメリットや、

耕すためのトラクターの燃料を減らす方法、

つまり、田んぼを耕さないで稲を育てる農法を

メンバーの田んぼで実験を繰り返しながら、

0から作り上げていきました。

 

各地の農家が実験的に行ったことの結果を持ち寄り、

どこの地域でやっても、同じ結果が得られる、

再現性がある方法を見つけていったのです。

 

農家を支援する有識者が科学的な根拠をみつけ、

理論を組み立てていきました。

 

こうして組み立てられていったのが、

不耕起移植栽培技術と、

不耕起栽培用の苗を育てる低温育苗法でした。

 

生産コストを抑えるために、

使用する資材も実験的に使用し、

求める結果を得られる資材だけを選んでいきました。

 

 

昔の篤農家(とくのうか・先進的農法普及に貢献した農業者)は、

自分で特殊な技術を生み出してきました。

 

その技術は素晴らしいものでしたが、

なかなか普及せずその人一代で、消えていきました。

 

 

一方、不耕起栽培技術は沢山の農家の人が

全国数十か所のグループで実験を繰り返し、

良い結果が出る方法を見つけ出してきました。

 

親子・親戚同士で参加した人も多かったのです。

 

これは1年で何十人何百人の農家の、

何十年分もの経験を得たのと同じでした。

 

さらに、耕さないことによって、

様々な自然現象がよみがえることを

農家の人たちは目の当たりにしてきたのです。

 

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生産コストや労力を押さえ、

使用する資材をできるだけ少なくする方法を

延べ1000人以上の農家の人たちが

10年以上の歳月をかけて生み出してきました。

 

こうして農家の人たちが生み出した農法が、

不耕起移植栽培技術です。

 

30年たった今も、新しい発見が報告され、

積み上げられ進化し続けているのです。

 

30年の経験と結果の関係性の基本を学べば、

機械化を進めた大農家でも

手作業でやる小さな田んぼでもできるのが、

不耕起移植栽培です。

 

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不耕起移植栽培のメリット


不耕起移植栽培にはいくつものメリットがあります。

得られるメリットは大きく分けて次のようになります。

1.農家へのメリット

2.環境へのメリット

3.自治体へのメリット

4.消費者へのメリット

 

冬の間に田んぼに水を張る

冬期湛水(とうきたんすい)・代替資材を組み合わせた

不耕起移植栽培のメリットについてまとめてみました。

 

農家へのメリット

1.田んぼの草を抑制しやすい

2.稲と土壌微小生物の活躍と炭素の循環が
土を豊かにし土質が良くなる

3.肥料を減らせる

4.労力、エネルギー、農薬を減らせる

5.基盤整備した田んぼでもできる

6.田んぼ自体が栄養分を作る工場になり
生物資源型稲作が出来る。

7.田んぼに入れる水の節約ができる

8.誰にでもどんな規模でもできる

9.収穫量が増えお米の品質が良くなる

10.冷害や干ばつなどの
異常気象での減収リスクが減る

11.殺菌剤がいらなくなる

12.冬期湛水により、放射能や土壌中のカドミウムが
イネに吸収されるのを抑制できる

13.消費者が安心してお米を購入してくれるきっかけとなる

 

環境へのメリット

1.生きものの命を育む田んぼになる

2.冬期湛水との組み合わせで鳥類の楽園になる

3.水の浄化ができる

4.炭素の貯留とメタンガスの発生抑制ができる

5.土壌浸食・流亡を防ぐ

 

 

自治体・行政へのメリット

1.河川湖沼・地下水の水がきれいになる

2.地域で誰でも水の浄化に参加できる

3.地域のお米の付加価値が上がる

4.環境教育・社会教育の場となる

5.日本中、世界中のお手本になる

6.冬期湛水との組み合わせにより、
土壌中のカドミウムを分離や放射能の吸収抑制ができる

 

消費者へのメリット

1.お米を食べることで
水の浄化作戦に参加できる

2.お米を食べることで
環境保全・生きものの保護に参加していることになる

3.安く安全でおいしいお米や水を得られる

4.子どもの環境教育・食農教育の場が守れる

5.水やお米が良くなれば健康になれる

 

農家に限らず、いろいろなメリットがあるのです。

不耕起移植栽培に興味を持っていただけたでしょうか?

 

 

残念なことに、日本では民間農法の技術や継承は、

個人でしか行うことができません。

 

自治体で一時的に不耕起移植栽培の取り組みをしても

最終的には個人が実践して体験を引き継ぐしかありません。

 

不耕起移植栽培を教えている人もいるでしょうが、

自分の手順しか教えられないのが実態です。

 

農家と有識者が生み出した技術や理論を

受け継ぐ人がいないのです。。

 

この技術と理論を後世に残していく人や方法を

私は模索し続けています。

 

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「ローカルライフきらめき」でも、
不耕起移植栽培をすぐ実践する方対象に、
技術をお教えしていきます。

 

「BOTANICA〜grow&glow〜」農業女子サポーターとしてインタビューを受けました。

 

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⇒ 農業は、がむしゃらに ひとりでやらないほうがいい 私がコミュニティを作ったわけ

⇒ 生きものが田んぼの水を浄化する 冬期湛水水田と緩速ろ過の浄水場

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この記事を書いた人

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玉川大学農学部卒。元・日本不耕起栽培普及会理事・事務局長。不耕起移植栽培や田舎暮らしの技術や楽しみを教え、農産物の差別商品化や売上増加コンサルをしています。手作り、田舎の食や暮らしが大好き。伝統食大好き。農家のじいちゃんばあちゃん大好き。都会暮らしでは、命と精神が縮んでしまう。ずっと満員電車に乗らず、朝に出勤しない生活を望んできたら、そうなった。2017年まで田舎暮らしや農業、手作りを実践。ナチュラリストでも何でもないのに、化学物質過敏症、合成添加物過敏症、合成洗剤アレルギー、シックハウス症候群。さらには、憑依体質。自然や宇宙とのつながりについて、いつも考えています。