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高校卒業後、病院に就職した事がキッカケで介護業界に進出。その後、老人保健施設に転職してから実務経験を積みながら通信教育で介護福祉士の資格を取得。その後はさらにスキルアップの為、職務内容が違う3種類(療養型病院・老人保健施設・訪問介護)の職場を渡り歩き、新人指導や業務改変作業の担当を受け持つなど豊富な経験を持つ。今でも現役で老人保健施設の介護職として働く事で介護業界に貢献中。

 

残存機能とは何でしょうか?

意味は、字のごとく残された機能の事を言います。

介護においては、この残存機能をどれだけ生かせるかが重要です。

介護とは何かを聞いたときに、何でもしてあげることと答える人が多くいます。

それは大きな勘違いです。

 

介護とは、その人らしく生きられるような手助けをすることです。

では、その人らしくとはどういうことでしょうか?

ここで、残存機能の話しになります。

残存機能を生かすことで、その人らしく生きてもらうのです。

 


残存機能とは


残存機能とは、病気や怪我の後遺症が残らなかった機能のことを言います。

後遺症とは、障害が残ることです。

後遺症が残らなかった機能とはどのような状態かを詳しく説明していきます。

 

後遺症の代表的な症状に、身体の麻痺があります。

麻痺の種類には、全身麻痺・半身麻痺とあり、症状によって残存機能も変わってきます。

症状別の残存機能が何かを知ることが大事です。

 

(例)全身麻痺の場合

全身麻痺とは大抵の場合、首から下が動かない状態を言います。

首から下が動かないと言うことは、手足を動かすことはもちろんのこと、声を出すことも出来ません。

残存機能的には、「目」と「頭」です。

・目の残存機能・・・まばたきをしたり、眼球を動かす動作。
・頭の残存機能・・・頭を上げたり、左右に動かす動作。

 

(例)半身麻痺の場合

半身麻痺とは左右のどちらかであったり、上半身(両腕)・下半身のどちらかが動かない状態を言います。このような状態を介護的には片麻痺と言います。

残存機能的には、左右どちらかの手足上半身・下半身です。

・右麻痺なら左側の残存機能、左麻痺なら右側の残存機能を生かしていきます。
・上半身麻痺なら下半身の残存機能、下半身麻痺なら上半身の残存機能を生かしていきます。

このように、残存機能には色々なパターンがありますので、症状に応じて把握をしましょう。

 


残存機能別の介護技術


残存機能を生かすような介護技術とは、どのようにすれば良いのか?

事例を挙げて解説していきます。

 

(例)全身麻痺の残存機能

声掛けをする内容を、はいいいえで答えられるものする。

はいならまばたき一回、いいえならまばたき二回に決めることで、相手とコミュニケーションを図る。

指差し文字盤を使用して、該当する文字に指が来たらまばたきをしてもらう行為を、文章が出来るまで繰り返し行う。

頭を動かす場合は、はいなら縦に動かし、いいえなら横に動かしてもらいます。

 

(例)半身麻痺の残存機能(右麻痺)

右麻痺の場合は、左側が動くので食事をする際には左手に食べるようになります。

大抵の人は右利きであるため、左手で箸を持って食事をすることは難しいです。

このような場合には、スプーン・フォークや自助具といったものを使用して、自力で食べれるように環境を整えましょう。

服の着脱に関しては、出来る範囲では自力にて行ってもらい、出来ない部分だけ手伝うようにして下さい。

時間がかかったとしても、見守ることが大事です。

何でも介助をしてしまうと、依存するようになって自分では何もしなくなってしまいます。

それでは残存機能を生かすことが出来ません。

 


残存機能でその人らしい生活を


後遺症のために、障害が残ったとしても、その人らしさは変わりません。

しかし以前と違って出来ないことが増えると、それだけで周りからは違う目で見られてしまいます。

そうなれば、ドンドン精神的に追い込まれて落ち込んでしまうことでしょう。

そのような状態でその人らしい生活が送れるでしょうか?

 

そこで、残存機能を生かすことで以前より出来ないことを減らすことが出来るのです。

障害が残っていても出来ることがあると分かれば、自分への自信になります。

自信がつけば、精神的にも明るく、前向きになれます。

前向きになることで、初めてその人らしく生きていけるのです。

残存機能を生かすということは、その人のこれからの人生にも深く関係するくらい重要なことなのです。

 

この記事を書いた人

遠藤 こずえ
遠藤 こずえ
高校卒業後、病院に就職した事がキッカケで介護業界に進出。その後、老人保健施設に転職してから実務経験を積みながら通信教育で介護福祉士の資格を取得。その後はさらにスキルアップの為、職務内容が違う3種類(療養型病院・老人保健施設・訪問介護)の職場を渡り歩き、新人指導や業務改変作業の担当を受け持つなど豊富な経験を持つ。今でも現役で老人保健施設の介護職として働く事で介護業界に貢献中。