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武原 夏子
玉川大学農学部卒。元・日本不耕起栽培普及会理事・事務局長。不耕起移植栽培や田舎暮らしの技術や楽しみを教え、農産物の差別商品化や売上増加コンサルをしています。手作り、田舎の食や暮らしが大好き。伝統食大好き。農家のじいちゃんばあちゃん大好き。都会暮らしでは、命と精神が縮んでしまう。ずっと満員電車に乗らず、朝に出勤しない生活を望んできたら、そうなった。2017年まで田舎暮らしや農業、手作りを実践。ナチュラリストでも何でもないのに、化学物質過敏症、合成添加物過敏症、合成洗剤アレルギー、シックハウス症候群。さらには、憑依体質。自然や宇宙とのつながりについて、いつも考えています。

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稲を育てるなら、稲刈り後を考えよう


 

田舎暮らしや週末ファーマーを始めて、

田んぼをやりたいという人も、

多いと思います。

 

田んぼを借りて、苗を分けてもらえば、

稲を育てることができます。

 

ところが、稲刈り後のことを考えずに、

田んぼを始めてしまう人って、

結構多いんですよ。

 

 

田んぼを始めるなら、

その前に1年間、

どこかに習いに行くとか、

田んぼの作業をイベント的に

グループで行っているところで、

一緒に体験しておいた方が

良いと思います。

 

 

頭で考えてもと、

実際の作業は身につきません。

 

それどころか、何が1年の作業の順番から、

抜けているか、

全く気がつかない人もいるんです。

 

田舎へ行けば、どこかの農家が、

見習いをさせてくれるだろう、

雇ってくれて教えてくれるだろうとは、

思わないほうが良いと思います。

 

もちろん、教えてあげると

言ってくださる方がいるなら、

それはとてもありがたいことですが、

農業は、売り物を栽培する

仕事だということを、

しっかりと認識しておいてほしいです。

 

農家の人が稲刈りをする場合は、

ほとんどコンバインを使います。

 

コンバインは稲を刈り取り、

脱穀までしてしまいます。

 

コンバインは、昔の稲刈りの道具を

いくつも組み合わせたような

農業機械なんですよ。

 

 

一方、手刈りで、はざがけ(おだがけ)で、

天日干しをやりたいという人も

いるかも知れませんね。

 

そういう場合は、稲を刈り取った後に

干すための「おだ」を、

事前に用意しておかないと

いけないですよね。

 

Photo by Natsuko Takehara

 

その準備をしなかったのか、

できなかったのか、

ガードレールに干したという人を

何人も知っています。

 

カードレールは公共の物だから、

あまり褒められたことではないと

思うんです。

 

おだは、木や竹で組むこともできますし、

毎年組み立てて使える、

金属のパイプ製のものが市販されています。

 

地域で活動しているグループで使うなら、

助成金を取って買うのも良いと思います。

 

 

おだに干している時に、

スズメや動物の被害にあうこともあります。

 

雨が続くと、穂が発芽することがあるので、

対策を取る必要が出て来るかも知れません。

 

 

ただ、干しておくだけだと、

日が当たる面、表に出ている面と、

内側とで乾き方が違ってきます。

 

干し終わったら、脱穀、籾摺り、

玄米から白米にするなら

精米という工程があります。

 

そこまで考えて、

稲刈りまでの期間に準備をしましょう。

 


乾燥した後はどうやってお米が商品になるのでしょうか?


 

田舎暮らしを始めて、新規就農して、

お米を作って、産直をしたい、

どこかのお店においてもらいたい、

そう思っているなら、

お米の商品化について、

しっかり知っておいてほしいです。

 

あなたがいつも食べているお米が、

商品になるまで、どんな工程を経て

店頭に並んでいるのか?

 

 

多くの農家の人は、

コンバインで稲刈りと脱穀をし、

収穫したもみは、

その日のうちに乾燥機に入れます。

 

その日のうちでなければいけない理由は、

お米が呼吸しているので、

呼吸熱を出して熱を出すからです。

 

閉鎖された空間、

コンバインの中や米袋の中では、

呼吸熱でお米が劣化してしまうんです。

 

だから、農家の人たちは、

稲刈り後は大急ぎで、

お米を乾燥機に移すんです。

 

出来るだけ早く乾燥機に入れて、

風を送ります。

 

熱をかけ、温風でもみの水分を減らし、

水分調整をします。

 

はざがけの自然乾燥とは、

大きな違いです。

 

 

乾燥させるのは、水分が高いと

お米が熟成しないし、

お米が長持ちしないからです。

 

長期保存するためには、

水分を低くする必要があるんです。

 

もちろん、乾燥しすぎたら

お米の味が悪くなるので、

ちょうど良い水分量が、

地域の農協や農家の判断で、

決まっているものなんです。

 

乾燥したもみは、籾摺り機という機械で、

もみ殻と玄米に分けるんです。

 

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この段階では、まだ玄米にごみが

混ざっていることがあります。

 

わらのくずとか、小石とか、

割れたお米のくずなどです。

 

これらが入っていたのでは、

商品にならないのです。

 

 

石が入っていたなんてことになったら、

大変です。

 

歯が欠けたなんて言われたら、

PL法に引っかかって、

損害賠償に発展するかもしれないです。

 

石抜き機という機械を通すことで、

異物を取り除きます。

 

通常の稲刈りでは、

石が入ることが無くても、

大雨や台風で稲が倒れてしまい、

地面に稲穂が

倒れ込んでいることもあります。

 

そういう時に稲刈りをすると、

予想外に、

小石が入ることもあるんです。

 

農家の人は、一度の作業で

何百kg~数tものお米の籾摺りをするので、

その中に1個でも石が入っていたら、

大変です。

 

米問屋さんだったら、

不特定多数の生産農家の、

たくさんのお米を取り扱うので、

石を取り除く機械は必需品です。

 

dsc01934

 

砕米取り機という機械もあります。

 

砕けて小さな破片になったお米を、

取り除く機械です。

 

すると、

細かいごみや砕けて割れたお米が、

ふるいから落ちて除かれます。

 

 

収穫したお米は、

粒の大きさや厚みは様々です。

 

粒の厚みが、

美味しさの決め手の一つになります。

 

籾摺り機で、

もみやごみを取り除いた玄米を、

ライスグレーダーという機械で、

ふるいにかけます。

 

 

dsc01965

 

ですから、問屋や、

産直を行っている一部の農家では、

ライスグレーダーのふるいの、

網目の大きさを変えて、

2段階ぐらいお米をより分けるんです。

 

市販されているお米は、

1.8~1.85mmのふるいで

選別されるが多いんです。

 

農家のこだわりや品種によっては、

1.9~2.0mmのふるいが

使われることもあります。

 

 

それより小さなお米は、

くず米として業者に引き取られます。

 

dsc00997

 

ライスグレーダー以外に、

問屋や、産直を行っている農家の人は、

お米を色彩選別機という

機械の中を通過させます。

 

この機械は、光のセンサーを使い、

色で、質の悪い米粒や異物を判別して、

空気銃のように、質の悪い米粒を

圧をかけた空気で跳ね飛ばして、

除いてくれます。

 

dsc01959

 

左上を早いスピードで流れているのが、

玄米です。

 

流れているときに、

悪いお米を跳ね飛ばして、除きます。

 

 

色彩選別機は大豆や小豆にも

使われている機械です。

 

ですから、売られているお豆も、

お米同様にきれいなんです。

 

豆類の場合は、お米と違い、

この後に磨きという工程があります。

 

だから、市販のお豆は、

ピカピカしていてきれいなんです。

 


カメムシが汁を吸った斑点米と農家からのお米の買取価格


 

色彩選別機の中を、

お米と通過させることで、

カメムシがお米の汁を吸った時にできる、

黒い斑点があるお米も、

取り除かれるんですよ。

 

お米を買って食べる時に、

黒い斑点が付いたお米を

見たことがありますか?

 

 

多くの人は見たことが無いと思いますが、

産直でお米を購入している人の中には、

黒い斑点の付いたお米を見たことが、

あるかもしれないですね。

 

もちろん、食べても何の問題もありません。

 

ところが、斑点があるお米に対し、

国の農産物検査制度で、

農家のお米の販売価格にかかわる、

高い基準値をかけているため、

斑点米が多いと販売時の等級が低くなり、

農家が受け取るお米の価格が、

安くなってしまいます。

 

この検査基準が、

ネオニコチノイド系の農薬を

農家に大量に使用させる

元凶になっています。

 

本当は流通の段階で取り除くので、

問題ではないはずです。

 

 

消費者が斑点の無いお米を

求めているから、

ネオニコチノイド農薬を

たくさん撒きましょう!みたいに、

農薬を撒くことが

消費者のせいにされているのを

ご存知でしょうか?

 

農水省の官僚が、平気で、

「消費者が求めている」

と言いますから、あきれます。

 

国がバックアップしている仕組みに、

あきれて、腹も立たなくなりますよ!

 

 

もうひとつ、

知っておいてほしいことがあります。

 

稲穂を刈り取りしても、

現代の農業の仕組みでは、

電気や灯油、

専用の様々な機械が無いと、

お米という商品にならない

ということなんです。

 

日本では、

エネルギーをたくさん使わないと、

食べられる状態のお米を作ることが

できないのです。

 

これが、

現代農業の大きな問題でもありますね。

 


お米の貯蔵


 

こうしてできた玄米は、

通常は紙袋に入れて保存されます。

 

たいていは、冷蔵保存されて、

翌年の収穫前まで、

お米を保管し、必要な時に必要な量が、

玄米のまま、あるいは白米や胚芽米にして、

袋詰めされて、お店に届けられるわけです。

 

紙袋だと、水分が変動しやすいので、

保管方法や温度によっては、

保管しているうちに、

味や品質に変化が起こってしまいます。

 

 

昔は、もみ殻貯蔵といって、

農家の人たちが家で食べるお米は、

もみ殻が付いた状態で、

保管していたんですよ。

 

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大昔のお米が遺跡から出て来るのは、

もみ殻が付いていて、

保存状態が良かったためのことが、

多いそうです。

 

もみ殻に含まれるケイ酸には、

光触媒作用というものがあり、

わずかの光に反応して、お米の鮮度を保ち、

穀物の熟成を良くする

働きがあることがわかっています。

 

 

今でも、

籾貯蔵にこだわっている農家さんが、

少ないけれどいるんですよ。

 

いざという時の

食料備蓄という観点から考えると、

稲って、お米って、とてもすごい仕組みを

備えた穀物なんです。

 

だから日本人は長い歴史の中で、

お米とともに生きてきたんだと

思えてきませんか?

 

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今、日本では、

たくさんの食品を捨てています。

 

その量は、1年で7000万人が

生きられるぐらいの量だそうです。

 

外食産業やコンビニなどで、

お米もたくさん捨てられています。

 

考えさせられる現象だと思いませんか?

 

 

田んぼをやる人は、

落穂も拾って、お米にしましょう。

 

自分が育てた稲からとれた、

お米の一粒一粒を

大事に食べて欲しいと思います。

 

多くの人に、私たちの見えない所には、

たくさんの飢餓があること、

それなのに日本は、

大量の食糧を捨てている問題点を、

しっかりと意識して暮らしてほしいと思います。

 

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玉川大学農学部卒。元・日本不耕起栽培普及会理事・事務局長。不耕起移植栽培や田舎暮らしの技術や楽しみを教え、農産物の差別商品化や売上増加コンサルをしています。手作り、田舎の食や暮らしが大好き。伝統食大好き。農家のじいちゃんばあちゃん大好き。都会暮らしでは、命と精神が縮んでしまう。ずっと満員電車に乗らず、朝に出勤しない生活を望んできたら、そうなった。2017年まで田舎暮らしや農業、手作りを実践。ナチュラリストでも何でもないのに、化学物質過敏症、合成添加物過敏症、合成洗剤アレルギー、シックハウス症候群。さらには、憑依体質。自然や宇宙とのつながりについて、いつも考えています。