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中村 光信
マウンテン&ウォーターマンでありグラフィックデザイナー。 オヤジと呼ばれる歳になっても今なお自然を舞台に実践し続けているエクストリームな遊びと、 デザイナーとしての腕一本だけを武器に、好きなことで稼いで自分らしく生きていく、自称「エクストリームオヤジ」として世の迷えるオヤジ達をそそのかすような発信とゴキゲンなライフスタイルを実現する可能性をExploring!

 

フェディという地点が僕らのキャラバンの出発地点だ。
ポカラからタクシーに乗り、30分ほど山間部に入ったところにフェディの集落があった。タクシーを降りて、荷物の最終チェックを行い、各自ザックを担ぐ。

荷物はかなり重い。80?ザックがパンパンだ。
通常のトレッキングだと一番重いものは食料か水だが、僕らはそれらにプラスしてクライミングギアを持っている。

ロープやカラビナ、ダブルアックスにアイゼンなど、ほぼ金属の塊と言っていい感じだ。今履いているトレッキングブーツの他に、冬期クライミング用のダブルのプラスティックブーツも入っている。

重いので一気に担ぐことはできず、一旦膝の上に置いてから肩ベルトに腕を入れて体をひねりながら背中にザックを乗せるといった感じの背負い方をするか、コースの所々にある休憩用の石段に荷物を載せてから背負う。

 


いよいよアンナプルナ内院へキャラバン開始


ダンプスからのマチャプチャレイメージ ダンプスからのマチャプチャレ遠望

 

ストックを2本突きながらゆっくりと登りだす。今日の宿泊地はダンプスという集落だ。

軽装備で足の速いトレッカーだと途中の休憩地点になるような距離だが、僕らの装備では割と余裕を持ってはいるが、ダンプスまではまる1日の行程となる。

最初は谷間の林の中の石段を朝露の冷たさを感じながら一歩一歩、体の調子を確かめるように登る。

アンナプルナ内院へのスタート地点はナヤプルとフェディの2カ所だが、フェディからの道の方がどちらかというとマイナーでこうやって登っていてもすれ違う人はそんなに多くはない。

昨日までの混沌とした喧噪が嘘のようだ。

 

とても気分がいい。

ゆっくりと大きな息を吸い込む。

僕たちが本来いるべき所にいるという実感がひしひしと湧き起こってくる。

 

背中に少し汗を感じ始めた頃に谷の石段を登りきり、今朝出発したポカラへ続く渓谷を遠望できる高台へ出た。

ここからは、斜面に棚田が広がる限りなくのんびりとした農村の風景となった。登っている道も、山道というよりは山奥の農村の田んぼの畦道といった感じだ。たわわに秋の実りが風にそよぐ中、民家が散在しているのが見える。

しばらく登ると、もともと家が建っていたような平坦な場所に休憩用の石組みのベンチがあり、そこで軽く休憩を取る。

もうダンプスはそう遠くない。

この天国のような風景をゆっくり楽しみながら登ろう。

 


天国の入り口にふさわしい穏やかな村


ダンプスの夕暮れイメージ

ダンプスの夕暮れ

 

ダンプスに到着したのは多分夕方の4時頃だったと思う。何件か立ち並ぶロッジを覗き、集落の中程にあるロッジに今日の宿を決めた。

ダンプスはまだ麓の村という感じで、見たことのない花が咲き乱れ、ヤク牛がのんびり農作物を運んでいる穏やかな雰囲気の村だ。遠くにはまだ沈むには早い夕方の日の中に聖なる山マチャプチャレが鎮座している。

案内された部屋に入り荷物を解き、一服入れた頃に外から賑やかな太鼓や笛の音が聞こえてきた。二階の部屋だったので窓から通りを見てみると、トレッカーや村人の輪の中で人々が踊っているのが見える。

どうやら、ダサイン祭を祝う踊りが始まったようだ。

 

カメラを抱えて、通りに出ると、村の中心らしき少し広くなった場所で異国の音色とリズムに合わせて村人が楽しそうに踊っている。周りの人だかりもみんな笑顔でそれを見ている。

トレッカーのカメラのフラッシュが光る。

ヒマラヤの空が青い。

空気は少し冷たく澄んでいる。

 

ああ、幸せだ。

 

何だか夢のような光景だ。

そして、僕らはヒマラヤの一角を目指す。

 

こんな幸せが他にあるだろうか。

 

 

この記事を書いた人

中村 光信
中村 光信
マウンテン&ウォーターマンでありグラフィックデザイナー。
オヤジと呼ばれる歳になっても今なお自然を舞台に実践し続けているエクストリームな遊びと、 デザイナーとしての腕一本だけを武器に、好きなことで稼いで自分らしく生きていく、自称「エクストリームオヤジ」として世の迷えるオヤジ達をそそのかすような発信とゴキゲンなライフスタイルを実現する可能性をExploring!