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小川タカコ
子供服オンライン講座を主催。23歳の時にフリーランスで起業。29歳からはパリコレの作品を縫うことに。一流ブランドとの経歴は、再現性が高く、洗練された出来上がりを求め、数々のヒミツを実行したからに他ならない。子供服にも有効な、超絶わかり易く【失敗しないコツ】を伝授。『面倒くさがりなのに超一流!ずぼらでもパリコレ作品を縫えるヒミツ』

パリコレ元顧問 ソーイングマスター小川タカコです。

Facebookグループ「How to ずぼらでパリコレ」でご質問にお答えしてます。

糸調子がどうしてもよくない場合についての質問が多かったので、
今回は糸調子について、どこから調整をしていくのかについてまとめました。

 


糸調子はオイル不足を潤滑にしてから、整えていく


オイルが潤滑に回るようになると、ミシンの負担は一気に軽減されるため、スムーズな回転で音が軽くなり、抵抗が少なくなります。

ミシンは正常に機能しないと、糸調子が乱れる原因になる精密機器ですから、オイル関係は必ず定期的にチェックしてください。

オイル関係が終わったら、次に下糸周辺からチェックをしていきます。

 

機械を回転させるには、オイルで潤滑に抵抗少なく動かせることが何よりも大事で、あなたがオイルチェックを怠っているとしたら、あなたがミシンを壊している張本人ということになります。

ミシンを大事に使って、ミシンが持っている機能を十二分に発揮できるように環境を整えてあげてくださいね。

 


糸調子は、下糸を基準に整えていき、ミシン自体に問題があるかどうか考えるのは最後にする
下糸周り


  1. 釜の周辺の清掃(釜の中にゴミがたまる、糸くずが入る、芯棒に糸が巻き付く など)
  2. 機械油の問題
  3. ボビンケースの内部の清掃
  4. 空転防止バネを外して、清掃し正しく取り付ける
  5. 下糸を正しく調整できているのか、その調整方法

ここまでを整えたら、上糸

  1. 糸巻きから出るところから、針に行くまでの箇所の全部をチェックする。
  2. 上糸の調整皿の清掃
  3. 上糸を引っ掛ける部品の清掃

清掃が済んでから、糸調子を見る

・下糸
針板から出して、手で引っ張る。

・上糸
天秤棒を越えてから、針までの間で手で引っ張る。

上糸を緩めにし、2枚の布を縫いながら、調整する。

 

  1. 下側に上糸がループになって出てしまう程度まで緩める。
  2. 徐々に上糸の調整を強くしていく。
  3. ちょうどいい場所まで強くし、強すぎないかを確認する。

以上の流れが基本です。

下記は細かくチェックする内容について記述します。
これは家庭用のミシン、その他のミシンも変わらないので、参考にしてください。

 


糸調子が改善しない原因の多くは、釜周辺とボビン、ボビンケースにある


釜の芯棒に、何からの原因で糸が巻き付いてしまうことがあります。
工業用ミシン

【1】下糸を取り換える時に、うっかりボビンを挿入しないで縫おうとした場合

上糸が盛大に釜に絡まってしまう時に、芯棒にまで被害が及ぶことがあります。
これは、プロでもたまにやってしまう、ヒューマンミスなのですが、尋常ではない被害になってしまいがちです。

ミスを起こしたことが問題ではなく、ミスをいい加減に処理しない心が大事です。

とにかく絡まってしまった場合は、

  1. すべての作業を取りやめ、
  2. ミシン周辺から一切の布、道具を別の場所に片付けます。

※油の沁みたミシン糸が出てくる可能性があるので、布は絶対に遠くへ避難させること※

釜の内部、芯棒などもよく点検し、糸くずのかけらも残さずに、すべてを取り除くことが重要です。

 

【1-2】これと同じ現象が、縫っている作業でも起こります。
縫う過程で、糸くずやホコリが内部にたまっていく可能性もあります

釜の周辺を点検するときは、常に糸が絡んだ臨戦態勢と同じ気持ちで、芯棒の細かいところ、またホコリがフェルトになっていないかなど、微小な部分まで点検します。

【2】機械油は、上記で説明したので割愛します。

【3】ボビンケース内の清掃

意外に忘れられがちなのがボビンケース内のホコリ、糸くずです。
丁寧にブラスやティッシュの細くしたものを目打ちで突くなどして、清掃します。

【4】糸調子を悪くしないために、ボビンケースには空転防止バネが付いている場合があります。

【画像】
これが正しく付けられていないと、全く縫えません。
バネを取り外して、その奥に糸が絡んでいる場合もあり、清掃の時は必ず外して確認します。

【空転防止バネを付ける理由】
空転防止バネとは、高速でミシンを回した時に、ボビンの重さで「慣性の法則」により、ボビンがミシンが止まった後も空転するのを防ぐためのモノです。

高速でミシンを踏まない人は、そもそも空転防止バネを付ける必要がありません。

ボビンが空転する原因は、2つあります。

①ミシン糸がテトロンの光沢のある滑りやすい糸の時

空転が起きると絡むので、空転防止バネを 付けないと一本縫った後に、ストップの勢いで空転し、次は絡んだままスタートしてしまい、縫えない訳ですね。

それを防止するのが、空転防止バネです。

テトロン糸は工業用でしかほとんど手に入らない為、家庭でハンドメイドする方々は、スパン糸を使う方が多いはずなので

スパン糸の場合も、空転して糸絡みする理由がないため、空転防止バネは必要ありません。

テトロン糸を使い、高速でミシンを動かす必要がある人だけ、空転防止バネを使ってください

②ボビンが鉄製の重いものである時

慣性の法則により、ボビンの重さにスピードが加わり空転する場合があります。

・ボビンをアルミ製にする

・ボビンの周りに穴が空いて、重量を軽くしたボビンを使う

このようにスピードを出さなければ、気にする必要は無いのですが、ミシンに負担のないボビンの素材を使うことで、ミシンの不調を防げるならばお安い投資とも言えます。

私は3種類くらい使っています。

【5】下糸の強さを見る

下糸の強さを見る場合、ボビンを外して、下糸をに持ってどのくらいのスピードでボビンが落ちるのかで判断する方法があります。

動画前半
しかし、回転防止バネが付いているときは、この方法では全く強さが測れません。

ボビンを正しく装填し、針板から下糸を引きだして、手で引っ張るテンション(ピンと引っ張る時の力)で、どの程度の強さがあるのか調べます。

空転防止バネが邪魔をしている場合は、ツンツン!と引っかかる抵抗があるため、原因が解明しやすくお勧めの方法です。

動画後半

h3糸調子を悪くしないための【上糸周りの清掃とチェック項目】

上糸は斜めに取り出さず、真っすぐ上部で糸を引き出すようにすることが、第一条件です。

うっかりすると斜めになっている時があるので、なんでもないことのようですが注意してお座なりにしないようにしましょう。

①糸巻きに巻き初めの最初の糸が出ていることすらあります。
工業用のロック糸は、途中で縛ってつないでいることさえあって、その縛っているあまりの短い糸が悪さをして、糸飛びしてしまいます。

そういう時は、縛ってつないである箇所まで、すべて破棄です(>_<)

純正のメーカー品で性器の値段でもそういうことが多々あります。
「糸巻きを疑え」も必須事項です。

②糸巻きの上下のプラスチックにバリがあるときもあります。
つまり、引っかかる要素が、糸を巻き付ける芯にそもそも存在していることもあります。

細かい紙やすりでバリの引っ掛かりを取り除きます。

次に上糸が針に届くまでの間にある、すべての箇所をチェックします。
単にちゃんとかかっているからOKという安易さで見るのではなく、糸の通るところだけキレイで、他が汚れているよう「糸の通る道」が出来ていると、たわんだ時に汚れ部分で引っかかる現象を発生させ、糸調子を悪くする元凶になります。

糸の通るすべてを拭って、磨くこと。

上糸調節の皿を外す
これは、分からなくなってしまう危険があるので、現状を写メします。
上糸の強さが分かる部分や数値があるならそれも忘れずに。

外す順番ごとに写していきます。
原状復帰に悩まないようにするだけで、解体に恐れを感じなくて済みますので、しっかり解体して、すべて拭って汚れを取り去り、また装填します。

糸調子が悪い時、この皿の内部に糸が絡んでいるのが原因だと、悪さし放題の状態になってしまうので、皿を疑うことをお勧めします。

以下針に至るまでを、探偵になったつもりですべてチェックします。

清掃が済んでから、糸調子を見る

・下糸
針板から出して、手で引っ張る。この強さを手に馴染ませて、感覚で分かるようにあなたが成長しましょう。

・上糸
天秤棒を越えてから、針までの間で手で引っ張る。これも感覚的なので、難しいかもしれないですが、大切なことなので身体で覚えましょう。

分からなかったら、とにかく縫う!

糸調子を見る時は上下の色を変えて、生地色も変えろ

糸調子を見る時に同じ色で調整するのは、時間がかかり勘違いも起こすので、上下色を違えます。
【画像】

この画像のように、多く使わない黄色などの目立つ別々の色で、上下の糸を違えて

①糸調子の上下のテンション(突っ張る強さ)の調整が、上下ともにあっているかをみる

②糸調子の調整の強さを、これから縫いたい生地と合わせるように微調整する(上下の色を変えたまま)

この2段構えが正しいですね。

生地ごとに調整を変化させるのは、基本的に上糸だけです。

下糸は一度調整をしたら、毎回いじる必要はなく、上糸の強さ(テンション)だけで事が足ります。

もしもあなたのミシンが、素材ごとにハチャメチャな糸調子になっていて、頭を抱えているとしたら。

釜のレース面に油が足りてない証拠なので、上記の動画を参考に、オイルを馴染ませてください。
【画像】

糸調子は下糸を整えてから、わざと上糸を緩くして良くない状態で2枚の布を縫い、徐々に良い状態へ調整する

 

  1. 下側に上糸がループになって出てしまう程度まで緩める。
  2. 徐々に上糸の調整を強くしていく。
  3. ちょうどいい場所まで強くし、強すぎないかを確認する。

下糸のテンションが良い状態であれば、上糸をそれに合わせて整えていきます。

下側の布に上糸がループになって飛び出す

【画像】

・上糸が緩すぎる時になる

・針の後ろのネジに上糸が引っ掛かっていると、ループになる

・上記の上糸が針に来るまでの間で、引っ掛かりがあると、ループになる

「糸がハシゴになる」、「棒になる」と呼ばれる現象
【画像】

下糸が生地の上に出てきてしまって、上糸は生地の表面で突っ張っているだけの状態

下糸がボビンにきちんと入っていないで、ずるずるに抜けてくる時になる
30番ステッチ糸などで起きやすい。
上糸が強すぎる、針が太すぎるなどでも起きる

画像■

ピリつきがでる

上糸が強いときに、生地が小さいシワでピリピリと引っ張られることをいう

「ピリついてる」という
上糸をピリピリが出ないまで緩める。

ピリつきはミシンに追い込むようにして縫うときにも起こる
解決方法:生地をミシンと綱引きをして、手前側に引っ張るようにして、ピリつきを防ぐ。

糸調子は縫ったものをほどいて確かめる
ミシン糸は目視と手触りだけでは、完全に調整しきれません。

縫ったものを、

  1. 上糸からだけ目打ちで引っ張ってほどく
  2. 下糸からだけ目打ちで引っ張ってほどく

ここまでして、どちらかが力を入れずに簡単に抜けてしまったら、それは調整がまだ未完であることになります。

この記事を書いた人

小川タカコ
小川タカコ
子供服オンライン講座を主催。23歳の時にフリーランスで起業。29歳からはパリコレの作品を縫うことに。一流ブランドとの経歴は、再現性が高く、洗練された出来上がりを求め、数々のヒミツを実行したからに他ならない。子供服にも有効な、超絶わかり易く【失敗しないコツ】を伝授。『面倒くさがりなのに超一流!ずぼらでもパリコレ作品を縫えるヒミツ』